12月12日(日) 『富津のいちばん熱い日・特別版、富津・冬の陣』
at

"TRICKEYE "

Photo by Kaneshi-san (HIRYU)


台風16号による悪天候に阻まれた『富津10周年』がもたらした、幸福なるめぐり合わせ。
それがプロデューサとLive Houseのオーナーの出会いであることは疑う余地も無く、やがてそれは希有なイベントに昇華した。
そして光栄なことに、BeTripもその至福を頂戴する事ができた。


BeTripとしては久しぶりのインドアなので、オープンエアのLiveとは趣向を一味変えたセットリストを組み立ててみた。



ほぼ予定どおりの16時過ぎ。
TRICKEYEのステージの照明がメンバーを照らし出し、あっけないくらい簡単なカウントから、1曲目の"Moonlight Woman"がスタートする。
ステージ置くに据えたアンプから、フロントのスピーカーを凌駕する音圧でヘヴィかつファンキーなリフが飛び出し、Kawaiのギターが絡みつき、BeTripの世界がいきなり展開する。


メンバー同士が少し様子を探って、肩慣らししながらの演奏も、ワンコーラスを折り返す頃にはすでにバンドのグルーヴが絡み合い、ぐいぐいと進み始める。

『月明かりに照らされてる女性のシルエットってのが個人的にすごく好き』だというKawaharaの、どこか愁いを帯びた世界が映し出される。


続いてKevinが、未だにタイトルが決まらない2曲目のリフを弾き始める。
最近のBeTripのLiveでよく演奏される、変拍子の曲だ。
リフや間奏に変拍子を導入する曲は世に数多いが、メロ部分にまで変拍子が使われた、しかもRockにカテゴライズされる曲は少ないだろう。
まったくもってヴォーカル泣かせでもある。


3曲目は打って変わってメロウなバラード、"One Night"。
ツインギターならではのアルペジオが絡みつく上で、Kawaharaのヴォーカルが叙情的な詩を切なげに歌い上げる。
この手合いの曲には絶妙にハマるKawaiの第一ソロ、そして楽曲の流れを断ち切る展開を見せる間奏と、それに続けて盛り上がるアレンジメントも、この曲のハイライトだ。


ここでKevinがギターを持ち替え、Kawaiが"Cry For Love"の印象的なアルペジオを弾き始める。
縦ノリのヘヴィな8ビートの曲だが、メロディが馴染みやすくて人気がある。
メロディーの一部を他のメンバーが歌うのは、曲中の主人公に相対する人の言葉で、しかもこの曲のイメージを握っているからだ。


UWF曰く「思わずこっち手が止まるほど戦慄する時がある」というKevinのボトルネックによるソロだが、今回はどうだったのだろう?


そしてラストは"You'er Mine"のノリのよいヘヴィなグルーヴが締める。
MasatoとUWFが繰り出すタイトなリズムに、KawaiのパワーコードによるバッキングとKevinのオブリガートやリフが絡みつく。
まさに、BeTripがリスペクトする、王道的なHard Rock。

そして今回のセットで唯一変拍子な部分が無い、極めてストレートなBoogieだが、その中でKawaharaが歌い上げているのは、実はとても普遍的なLove Songなのだ。
 
常にストレートなサウンドを放つ事をポリシーとするBeTripの演奏は、個々のプレイヤーのメンタルやフィジカルなコンディションを、様々なミスという形で表現してしまうという危険性を背負っている。
しかしバンド全体のコンディションが良好であるなら、そのミスさえも肯定出来る事があることを、今回のLiveは雄弁に語ってくれた。

Set List

#1:Moonlight Woman
#2:No Title
#3:One Night
#4:Cry For Love
#5:You'er Mine


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